
松本理事長は妻の一恵専務理事(42)とともに会見
山水会不正経理:宮城県、不自然弁明うのみ リタリン紛失
◆宮城県蔵王町で介護老人保健施設などを運営する医療法人「山水会」を巡る不正経理問題で、県などが施設に併設された心療内科への立ち入り検査で向精神薬「リタリン」が大量に紛失していた事実をつかみながら、院長を兼任する法人理事長の不自然な説明を了承していたことが分かった。精神医療の専門家は「『調剤ミスが多々ある』など、通常では考えられない弁解が並んでいる」と指摘しており、県側の姿勢に批判が集まりそうだ。
山水会の不正経理問題で、県は10日付で施設側に業務改善命令を出すことを明らかにした。
老健施設に併設された「蔵王松本クリニック」では昨年1年間に約22万錠ものリタリンが処方されていたことが厚生労働省の調査で判明。全国で3番目に多い処方量だったため、同省の指示を受けた県薬務課などが昨年11月〜今年1月、4回にわたり立ち入り検査。その結果、製薬会社から購入し、院内にあるはずのリタリンの粉薬約3キロと錠剤約1500錠がなくなっていることが分かり、県側は理事長に説明を求めた。
毎日新聞が入手した県に対する理事長の今年2月15日付の「報告書」によると、粉薬の紛失については(1)3人の患者に処方した計900グラムのついて記載漏れがあった(2)調剤ミスによる廃棄処分が多々あり、半年間で1008グラムになった(3)調剤時に飛散した分や、薬の計量の際の1グラム単位の誤差が半年間で計660グラムあった−−などと説明。錠剤については「治療効果を見るため、半年間で計1440錠を患者に無償提供した」などとした。
理事長の報告書について、リタリンなどの薬物依存の治療に詳しい専門医は「普通の薬でも、調剤ミスによる廃棄はあってはならないのに、法律で厳格な管理を求められるリタリンで『多々ある』のは大問題」と指摘。「計量器も行政の監査などで0.1グラム単位までの正確さが求められており、1グラム単位の計量ミスはありえない。依存性の強い薬を患者に無償提供したのも医療者としてあってはならない行為」と厳しく批判する。
また、東京都内の保健所の幹部は「3キロものリタリンを紛失した施設の責任を何も問えないのは、行政の責任放棄に等しい」と話している。
県薬務課は「所管する麻薬取締法の範囲内で報告書を求めたが、紛失の違法性は問えなかった」と説明している。
◇「理事長退任を」労組が決議
医療法人「山水会」職員50人でつくる全国福祉保育労働組合宮城支部山水会分会は9日、臨時大会を開き、ずさんな施設運営を適正化するため、理事長の退任を求める決議をした。決議文は10日、理事長に手渡すという。また、職員給与の一時不払いがあり、労働基準法に違反するとして医療法人と理事長を労働基準法違反容疑で大河原労働基準監督署に告発することも決めた。
山水会分会の浅野妙子委員長らは臨時大会後に会見。「理事長の高額な給与や美術品の購入が施設運営を圧迫した。理事長を退任させて経営を刷新し、刑事責任も追及したい」と話した。毎日より
◆宮城県から業務改善命令を受けた医療法人「山水会」(蔵王町)の松本弘樹理事長(51)が10日、自らが経営する同町の介護老人保健施設「遠刈田温泉山水苑」で記者会見し、ずさんな会計処理との指摘に「診療に専念していたので会計は分からない」などと弁明した。
松本理事長は妻の一恵専務理事(42)とともに会見。未返済となっている貸付金などについて「海外視察の代金が経費として認められなかった。分割払いで返す」と述べた。
法人名義で購入した美術品や高級外車は「すべて個人で買った」などと説明。多量の向精神薬「リタリン」がなくなっていることについては「(自分では)使っていない」と話した。
松本理事長の会見後、常務理事の佐藤文絵事務長が未返済金の内訳などを説明。松本理事長が法人名義で買った美術品などのローン返済がかさみ、職員への給与支払いが滞っている実態を明らかにした。それによると、法人名義で購入した美術品は26点計4136万円相当、高級外車は4台3094万円に上る。
佐藤事務長は、松本理事長について「法人を始めたころは正義感の強い人だった。特に2年前から別人になった」「理事長室でリタリンを服用している姿を複数の理事が見ている」と語った。佐藤事務長の説明に対し、会見場に残っていた松本理事長は「それはない」と反論した。
一連の会見終了後、職員労組の浅野妙子委員長が松本理事長に退任を求め要求書を手渡した。松本理事長は「理事長を続けます」と繰り返した。
◎賃金未払いで労基署に告発 山水会労組
蔵王町の医療法人「山水会」でずさんな会計処理が繰り返されていた問題に絡み、全国福祉保育労組宮城支部(佐藤博英執行委員長)と同支部山水会分会は10日、職員に支給する賃金の一部が一時的に未払いとなった労働基準法違反の疑いで、山水会と松本弘樹理事長を大河原労働基準監督署に告発した。
監督署は「個別の案件について答えられない」としているが、組合側によると、告発は受理されたという。
告発状によると、山水会は職員49人の6月分賃金について、支給日の25日に一律10万円のみを支払い、残額の約425万円が未払いとなった疑い。2日後の27日に残額が支給されたという。
浅野妙子分会長は「利用者に迷惑を掛けないことを第一に、職員の労働条件も守りたい。理事長には早く正常化する努力を求めたい」と話した。
組合によると、山水会は制裁的な賃金カットを行った労基法違反で、監督署から是正指導をたびたび受けていたという。 河北より
一言 法人名義で購入した美術品や高級外車は「すべて個人で買った」
と言っているが個人で買ってどうして法人名義なのか。会見を聞いているとすぐばれそうな言い訳ばかりでつまらない。
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